建物は、３方を家に囲まれた敷地に建つ。したがって、あまり採光は期待できない。

　　　　　この限定された中、出来るだけ沢山の光を、どうすれば建物内に引き込む事が出来るかが、この建物
　　　　最大のテーマである。


　　　　　プランは、日影図を重ねながら計画している。

　　　　　リビングへの採光は、普通に窓を設けるだけでは、冬場の太陽高度の低い時、全く日が入ってこない。
　　　　そこで考えたのが、吹抜を介して上下に設けた窓から採光を取り込む方法である。
　　　　　この光は、偶然にもリビングに設けた、そびえ立つコンクリートの壁に、影を落とし、時間の経過と共に、
　　　　影はゆっくりと伸びて行き、慌ただしい日常に、安らぎの空間を演出する。

　　　　　さて、 もう一つの問題は、子供室への採光計画である。 普通に窓を設けると、東側の採光しか取れな
　　　　い、もう一か所は欲しい所。
　　　　　そこで、東側の子供室棟を、西側リビング・寝室棟より建物高さを高く設定し、高窓より西日を取り込ん
　　　　だ。結果、日中はかなり明るい。
　　　　　子供達には、太陽の光をいっぱい受け、健康で明るく育ってもらいたい。